本を読む目的はいろいろある。当然だが読む本によっても変わる。
ビジネス書はわかりやすい。仕事に役立てたくて読む場合がほとんどだろう。
一方、小説はどうか。小説をなぜ読むのか。
「ここじゃないどこかへ行くため」と言っている人がいた。
「知らないことを知るため」と言う人もいるだろう。
名作を読んでおきたい、みたいなのは、知識欲によるものが大きいのかもしれない。私もそういう場合はあるが、メインではない。
私が小説を読む目的を考える前に、どんな小説が好きか、どんな小説なら満足度が高いか、を考えたい。
私は、いわゆる「その場限りのエンタメ小説」はあまり好まない。
楽しんで読むが、ジェットコースターのように、そのとき楽しいだけではあまりうれしくない。
だからといって、小難しく示唆に富む小説が好きかと言うと、それ自体は条件でない気もする。
できれば音楽のように、その世界にどっぷりと浸れるものがいい。
その世界にたゆたう空気、風、音楽、香りに包まれたい。
読み終えたあとも、私を包み込んでくれた何かが、あわよくば現実世界にはみ出てきてほしい。
そう思うと、文体から立ち上がる「音」に浸りたい、のかもしれない。
「その世界に浸りたい」が小説を読む目的だとすると、
まずは、浸れるような小説を選ぶ、ことがある。
他には、浸るために没頭できる環境を作ったほうがいいだろう。
静かな環境、開けたスペース、空気のきれいな場所、リラックスできる姿勢、寒くもなく暑くもない温度などなど。
さらには、スマホで読むより、紙の本のほうがよいかもしれない。
ただしお風呂で読むなら、Kindle oasisでもいいかもしれない。
読んでいるものと、自分の好みに合う音楽をかけるといいのかもしれない。
そんなことを考えて、紙の本を見直しているところ。