用事があって、5年ほど前まで住んでいた場所の近くを歩いた。
当時と変わらない風景の中を歩いていると、記憶がまざまぞと蘇る。
「懐かしい風景を見て、素敵な気分になるかな」と思っていたが、
蘇ってきたのは、楽しかった思い出より、当時の「大変だった」記憶。
子供たちがまだ小さく、どこへ行くにも一緒でなくてはならなかったこと。
自転車の前と後ろに二人を乗せて、必死で走り回ったこと。
公園で夢中になって遊ぶ彼らを、長いこと待たなくてはいけなかったこと。あるいは、延々とその遊びに付き合わされたこと。
東日本大震災のときに、慌ててオムツを買いに走ったこと。
もちろん、楽しいこともたくさんあったが、子供がいる生活は、子供がいなかった時に比べて、圧倒的に「不自由」だ。
もちろん、子供が大きくなった今と比べても、ずっとずっと不自由だった。
「ああ、大変だったなあ」と、少し美化された思い出を反芻しながら、
なんだか胸がいっぱいになってしまった。
途中で引っ越したことで、私にとってあの土地は、「子供が小さかった頃」が詰まった、
かけがえのない場所になったみたいだ。