
世の中は詩を読む人と詩を読まない人に真っ二つに分かれるであろう、たぶん。
日常的に詩を読む人って100人にひとりもいないんじゃないか?
私は読まない人だったけど、少し読んでみたいな、と思った。
それは、やっぱり町田康さんの影響だ。高橋源一郎さんも詩が好きなようで、そのことも心にあった。
町田康さんは武蔵野大学で授業をしており、レジュメが公開されている。
8. 詩を読む① 詩人とはどういう人間か。なにを書こうとしているか。どう書こうとしているか。直観していることはなにか。言葉の流行。「おもろい詩の四条件」について。
予習、事前に読む。
復習、もう一度読む。
9. 詩を読む② 「ライトゲージ」うるし山千尋を読む。詩の技巧。言葉が響くということ。「名辞以前の世界」とはなにか。名詞に感傷的個人的、割とどうでもよい意味を持たせる技法、その他の技法を読む。そのバックグラウンドで作動するOSとしての、作者の世界観を読む。
予習、事前に読む。
復習、詩を書いてみる。
10. 詩を読む③ 中原中也の「サーカス」「朝の歌」萩原朔太郎の「帰郷」「品川観艦式」などを創造的に読み、性格と人生と詩の関係を知り、腹痛による呻きと詩の間にあるものを探る。
予習、事前に読む。
復習、詩を書いてみる。
11. 詩を読む④ 詩を読み、書いて、その根底にあるものが、「かっこいい」もの、またそれとは真逆の、「腹立つもの」であることを知り、その浅薄なるを確認する。そしてそれに気がつかない「いい気」「いい気分」が詩にどんな肯定的な力を与えているかを知る。そのうえで詩を書きたくなれば書き、そして、それを他人に読んでもらいたいと思うか、思わないかを自ら確認し、読んでもらいたい場合はなんらかの方法で読んでもらう。
予習、詩を書く。
復習、詩を読む。
これらの作品は、町田さんが「よい」と思っているものなんだろうと、チェックしておく。
また、町田康さんは、『私の文学史』で詩について書いていて、その四条件も書かれている。
1.感情の出し方がうまい
2.調べ
3.そいつ自身がおもろい
4.詩の中に書かれている意味内容が正しかったり、役に立ったりする
「詩の読み方なんて自由でいい」と言われることもあるけれど、私は詩をどう読んでいいかさっぱりわからなかった。町田さんはいろいろと、詩の読み方を教えてくれている。それなら読めそうかも、と詩集を開いてみたのだ。
詩を読むときは、「わからんけどわかる」でいいらしい。わからなくても、感情が伝わってくる。陽気な感じや寂しさ、虚しさなんかが伝わってくる。まずはそれでいいのかもしれないと思ったし、そう思って読んでみると結構面白いものだな、と。
本棚にしまってあった『二十億光年の孤独』を出してきて、『土間の四十八滝』を買って、夫の本棚からヘッセとランボーの詩集を出してきた。
