Low Kick - 2nd -

たぶん全部ひとりごと。 テキトーだけどマジメです。

芸は磨かれる(寄席に行った話)

寄席に行った。

 

f:id:emi_tochio:20210703091129j:plain


朝、ツイッターたまたまこのツイートを発見した。

 

 

神田伯山さんのラジオが好きで毎週聞いている。講談も少し動画などで聞くようになったが、リアルで見たことはない。

 

私は池袋界隈に住んでいるので、このツイートを見て「歩いて行けるじゃん!」と夫に教えたところ「行こう! 並ぶかもしれないから今すぐ様子見に行こう」となった。

 

夫は落語が好きで(寄席はほとんど行かないらしいが)、YouTube志ん朝を中心によく聞いていて、歴史とか文化とかの知識も豊富。私はその話をよく聞いていたことと、ラジオ『問わず語りの神田伯山』を聞いて「落語エリート教育」をスタートし始めたこと、東京ポッド許可局の流れでサンキュータツオさんの「しぶらく」のPodcast「まくら」を以前よく聞いていたことなどが重なり、落語も興味津々。

 

「落語エリート教育」についてはこちら↓

 

 

私のメモによると、

1.立川志の輔のCDを買うか借りるかして、5席ほど聞く(YouTubeで聞いちゃダメ)

2.古今亭志ん朝のCDを同じく買うか借りるかして、10席ほど聞く(同じくYouTubeはダメ)

3.三遊亭圓生を1年間聞きづ続ける(100席くらい)

というステップ。

 

私は志の輔を2席借りて聞いて、そのあと志の輔CDを予約したけれど保管期間が過ぎてしまって予約が無効になり、「予約してまた流れたら嫌だから」と大きめ図書館に行ったら臨時休館で、別の図書館に行ったら志の輔が1枚もなく、伯山先生の教えを破ってステップ2の志ん朝に進んでしまった←イマココ。

 

背景の説明が長すぎたので寄席の話に戻る。

 

私たち夫婦は金曜日をお休みにしている(夫の仕事の都合で日曜日が休めずに金曜日を休みにしていて、私もそれに合わせている)。さらに、その日は子どもと区民プールに行こうと予定していたが、夫がワクチン接種による左腕の激痛によりあきらめざるを得なかった。そんなできごとが重なって、朝から近所の寄席に行くというラッキーをゲットしたのだった。

 

チケットの買い方から調べる。誰かのブログで「当日、窓口に行って買うしかないらしい」と知る。初心者はそういう当たり前のことも知らないのだけど、公式HPには書かれていないよね。

 

10時半ごろ行ったら2人並んでいた。ただ、どっち側に並べばいいかもよくわからないしなんだか不安。近くの喫茶店に入り、「もう少し列が進んだら並ぼう」と決めて、ケーキセットを頼み、チラチラと外を見ながらケーキを食べ、そのあと30分間ペア読書した。読書した後外を見ると「うわ、めちゃめちゃ並んでる!」とすぐに外に出て並ぶ。30人目くらいだったかな。私たちの後ろに並んだ人に「ここが最後尾ですか」と聞かれ、風貌が短髪とメガネの50歳くらいの男性で、視線がぐっと落ち着き払っていてただならぬ雰囲気を醸し出していると思ったけれど、私がそう思っただけかしら。

 

落語も講談も、全部思い出せるけど全部面白かったなあ。落語本編よりも、まくらに経験が表れやすいのではないかと思った。どういうネタにするか、それをどう喋るか、どれくらいお客さんをいじるか、みたいなことは、おそらく落語を練習するのとはわけが違うのだろう。

 

出る人出る人「伯山目当てなんでしょ?」みたいに、神田伯山をいじるのがおもしろい。神田伯山はさすがだった。自然に引き込まれてしまうし、自然に笑ってしまう。出演者が何人も出てくるけど、それぞれの人の絵が浮かぶ。ほかの人に比べて体が大きいというのも多少はあるかもしれないけど、登場人物が高座から前に出てくるようなイメージ。時間配分が難しそうだったけど、それも面白くまとめてしまう。

 

その日は笑福亭羽光(うこう)と三遊亭小笑(こしょう)の真打昇進のお披露目会だったから、夫から聞いていた口上もあった。真打に昇進する人の師匠や関係者が出て横並びになり「こいつをよろしくおねがいします」みたいに言う。バカにして下げて、こいつはすごいと上げる。そういう愛のあるやりとりがとても素敵だ。

 

ベテランになるほど、安心してみていられるし、やっぱり面白くて非常に洗練されている。話し方も、動きも、何もかも美しい。