大人になってから、バレーボールをするようになった。
最初に入ったママさんバレーは、初心者ばかりの激ヨワチーム。
全然勝てないけど、ボールが落ちないように追いかけるだけで、私は楽しかった。
子どもが転校して、ちょっと強いチームに入った。
本来のポジションであるセッターではなく、レシーバーとして重宝され、セッターもたまにやらせてもらって、それはそれで楽しかった。
さらに引っ越して転校して、すごく上手い人がいるチームに入った。
しかもちゃんと教えてくれる監督がいる!
そこでクラブチームに誘われて、入った。
私はバレーができればよかったんだけど、みんな「上手くなりたい」「強くなりたい」と思っているみたいだ。
飲みに行くのが好きな人たちで、酒を飲んではバレーの話ばかりして、喧嘩したり泣いたり、愚痴を言ったりする。
「強くなりたい、って思っていいんだ!」
そう思った私はいろいろ考えた。
チームが強くなるにはいろいろ方法がある。
1.上手くない人の底上げ
2.上手い人のさらなる向上
とりあえず1は、人のせいにするみたいで健全ではない気がする。
私は経験者で上手な方なので、他の人の指摘をすることになってしまう。
だから、2を目指すことにした。
つまり私が、今よりもっともっとうまくなるのだ。
こうして「○○でナンバーワンのセッターになる」という目標を定めた。
(○○はナイショ)
筋トレしたりジョギングしたり、有料のコーチに見てもらったりと、いろいろした。
確実に、上達してきたと思う。
それによって、チームのレベルも多少は上がったかもしれない。
でも、なかなか強くならない。
私は思った。
「ナンバーワンのセッターになる」ためには、強いチームに行かなきゃいけないのでは?
強いチームで、拾って打って、コンビもする。そういうチームに入ればもっと上達できるのではないかと思った。
しばらくの間、それも迷ったりした。
でも、待てよ。
私が上手くなりたかったのは、チームを強くするためではなかったか。
まさに「手段の目的化」をしてしまっていた。
なぜ今のチームにいるかというと、楽しいからだ。
チームメンバーが好きだし、一緒にバレーして、話をすると楽しい。
だから、バレーボールの中だけで考えるのではなく、私の人生、私の生活、とひとつ俯瞰して考えると、今のチームを離れる選択肢はないはずなのだ。
その流れとは別なんだけど、強くなる方法として、
3.チームとしての戦略
があると知る。
一人ひとりの技術向上を直接的に目指すのではなく、チームとして弱い部分を鍛えていく。
それは、必ずしも劇的な技術向上をしなくても、劇的な効果を得られることがあるのだ。
劇的といっても急にではないかもしれない。でも、確実に強くなれそう。なれる。
だから今は、チームとしての戦略に力を入れている。
もちろん、自分の技術向上を目指しながらだけど。