私は、物事を曖昧にしておくのが苦手だ。
つい、白か黒か、はっきりさせたくなってしまう。
嫌なものは、排除しようとしてしまう。
最近、昔の辛かったできごとを思い出し、「なんであんなことになったんだろう」とそのできごとを恨む気持ちにとらわれてしまった。
だが、そういうネガティブな感情が襲ってくるのは、決まって自分の体調が悪い時だ。過去のできごと自体が辛かったのは事実だが、それを何度も思い出すきっかけは、今の自分のコンディションなのだ。
もし、その辛い過去がなかったとしても、きっと私は別の何かで同じように苦しむんじゃないだろうか。
例えば、今思い出しているのが「Aさんにされた嫌なできごと」だとする。
そんな事実のない世界ならよかった、と思うけど、その場合は、次につらかった「Bさんが起こしたできごと」にずっと悩まされているかもしれない。
もし、嫌なできごとの記憶がなかったとしても、その場合「私は孤独だ」という漠然とした不安に苛まれるだろう。
実際、昔から私は「孤独」という感覚にずっと苦しめられてきた。まるで闇に捕われて身動きが取れなくなるような感覚によく陥った。
つまり、私を苦しめている本当の原因は、「自分を傷つけた辛いできごと」や「孤独という事実」そのものではないのかもしれない。
自分が弱っている時、その隙間に入り込み、心をがんじがらめにしてくる「何か」。
その「何か」に立ち現れるのが、ある時は過去の記憶だったり、ある時は孤独感だったりするだけなんじゃないか。
だとしたら、白黒はっきりと、嫌なものを一掃しようとするんじゃなくて、「そういうもんだ」という事実を受け入れるのがいいんだろう。
そのほうが、心の健康にもよい気がする。
過去の嫌な体験を思い出してしまったら、そのできごとを恨むのではなく、できごとを捉え、解釈する意識を見つめて「あ、また来たの。久しぶりだね」くらいで考えてみたい。決して歓迎はしないけどね。